子供の頃、歯医者さんというと「痛い」イメージが強くあり、誰しもが好むものではなかったでしょう。しかし今の時代、子供たちが歯医者さんを怖がらないという事情が出てきているのです。それはそれぞれの小児歯科で行われている、たくさんの工夫にありました。今の小児歯科で多く見られるようになったもの、それはテレビです。
これは歯医者さんの待合室に置かれているテレビではなく、診察台の上に取り付けられているもので、診察台に寝転ぶと、そのテレビを真正面に見ることができます。子供たちは治療中、このテレビに映されている人気アニメやキャラクターたちを見ながら時間を過ごします。その音声は、診察台の枕元に取り付けられているスピーカーから発せられており、きちんと音も楽しみながら映像を見られるのです。これによって、子供たちの意識を治療からそらせることができます。
また、痛くない治療においても工夫がなされています。歯科で治療に欠かせないもの、それは麻酔です。麻酔注射は、歯茎に打つときにチクリとした痛みを持ち、これは大人でも不快なものでしょう。しかし小児歯科では、まず「鼻麻酔」から始まります。
これは鼻から麻酔薬を吸うことによって、麻酔注射の痛みをも和らげることができるものです。この鼻麻酔には、チョコレートやバニラといった、子供たちの好きな甘い香りがあり、決して不快感を与えません。このように、今の小児歯科ではたくさんの工夫がほどこされており、子供たちが通いやすくなっています。